プレバイオティクスとは何?その意味と該当する食品を紹介

プレバイオティクスとは何?

冬の野菜
プレバイオティクスとは、人間の持つ乳酸菌やビフィズス菌などの有用菌を効果的に増殖させるのに役立つような食品成分のことを言います。

腸内環境の改善には、有用菌を食品やサプリメントなどから十分に摂取することと同時に、有用菌が腸内でしっかりと働くためにその栄養源もとることが重要です。

プレバイオティクスである栄養素としては、オリゴ糖や一部の食物繊維などが該当します。

プレバイオティクスの4つの条件とは?

プレバイオティクスは、イギリスのグレン・ギブソン、マルセル・ロバーフロイドの2人の大学教授によって提唱された考え方です。
具体的には、次の4つの条件を満たすものだとされています。

(1)胃等の消化管上部で分解や吸収が行われない。
(2)大腸にもともと存在するビフィズス菌(ビヒダス菌)などの有用な細菌の増殖に特異的に役だつ物質(基質)であり、それらの代謝を活性化する。
(3)大腸の腸内細菌バランスを健康的な状態に保つことに役だつ。
(4)宿主(ヒトなど)が物質を口から摂取した場合に健康増進に役だつ効果を誘導する。

引用元:コトバンク プレバイオティクス

つまり、食物繊維のように消化・吸収されずに人の腸まで届き、人の健康に役立つようなビフィズス菌などの有用菌のみを増殖させる食品の成分と言えます。

プレバイオティクスに該当する成分

プレバイオティクスの概念は、日本で発見されたオリゴ糖を元に提唱されました。
オリゴ糖や一部の食物繊維がプレバイオティクスに該当します。

オリゴ糖を含む食品

オリゴ糖には幾つかの種類があり、次のような食品に含まれています。

  • フラクトオリゴ糖:玉ねぎ、ごぼう、はちみつなど
  • イソマルトオリゴ糖:味噌、醤油など
  • キシロオリゴ糖:タケノコやトウモロコシなど

オリゴ糖の種類はこれだけではないのですが、主に豆類やきな粉、甜菜、ヤーコンなどに多く含まれます。

プレバイオティクスにあたる食物繊維を含む食品

食物繊維のすべてがプレバイオティクスにあたるというわけではありません。
食物繊維には、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維などの種類があるため、どの食品に含まれている食物繊維がプレバイオティクスにあたるのかを知っておく必要があります。

プレバイオティクスに当てはまる食物繊維には、イヌリンやポリデキストロースなどの食物繊維がプレバイオティクスがあります。
イヌリンはごぼうや玉ねぎの他、キク科の植物の多く含まれています。

関連記事:ごぼうの食物繊維の腸内環境への効果について

プレバイオティクスとプロバイオティクスとの違いは?

プレバイオティクスと似た言葉に、プロバイオティクスと言う言葉があります。
プレバイオティクスは、有用菌を効率的に増やしてくれる食品成分をさしますが、プロバイオティクスは有用菌そのものを意味します。

プロバイオティクスもプレバイオティクスも両方重要?

腸内環境を整えることは、便秘や下痢などの症状の改善だけでなく、アレルギー症状の緩和、ウィルスへの抵抗力にも関係する免疫機能の向上にも影響します。

人の腸内には数多くの腸内細菌が住んでいますが、そのすべてが人にとって有益というわけではありません。

腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類できます。

日和見菌とは、善玉菌にも悪玉菌にも属さない菌なのですが、悪玉菌の割合が増え腸内環境が悪化していくと、悪玉菌のような働きをします。

一方、善玉菌が増えると悪玉菌の増殖、働きを抑制することができます。

腸内環境を善玉菌優勢の良好な状態にするには、有用菌を食品から摂取すること、腸内の善玉菌の餌になる成分を摂取することの2つが重要です。

つまり、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方が重要であり、このような考え方をシンバイオティクスと言います。

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