ヨーグルトメーカーで使える牛乳の種類|低脂肪牛乳や成分調整牛乳は固まらない?

ヨーグルトメーカーで様々な種菌を使って工夫されているかたも多いと思いますが、使用する牛乳にもバリエーションがあるのを知っていますか?

例えば、ダイエット中なら「低脂肪牛乳×低脂肪ヨーグルト」の組み合わせでも手作りヨーグルトが作れるのです。

ただし、使う牛乳の種類によっては上手くヨーグルトが固まらないので注意しなくてはいけません。

一口に「牛乳」と言っても、実はけっこう細かく分類されているので、まずは牛乳の種類について説明していきます。

ヨーグルトメーカーで使えるのは?7つの牛乳の種類

私たちが普段「牛乳」と呼んでいるものの中には、実は牛乳ではないものも混ざっています。

例えば、コーヒー牛乳が良い例です。
名前に「牛乳」と入っていますが、商品のパッケージをみるとどこにも牛乳とは書いていません。

法律によって、牛のミルクに決められた成分以外を加えてしまうと「牛乳」と明記することはできないので、コーヒー牛乳は牛乳ではなくて「乳飲料」というくくりになります。

同じように加工する前のミルク(生乳:せいにゅう)にどのように手を加えたかで、一般的に牛乳と呼ばれる飲み物は次の7種類に分類されるのです。

  • 牛乳
  • 特別牛乳
  • 成分調整牛乳
  • 低脂肪牛乳
  • 無脂肪牛乳
  • 加工乳
  • 乳飲料

この中で、ヨーグルトメーカーで手作りヨーグルトを作るのに向いているのはただの「牛乳」とされています。

低脂肪牛乳を使ってもちゃんと自家製ヨーグルトになるのですが、少しゆるく固まるのであまりおすすめはできないのです。

「牛乳」以外を使うとヨーグルトが固まりにくい理由

すべての牛乳を試したわけではありませんが、乳飲料以外であればわりと作れるのではないかと思います。

ヨーグルトメーカーの取扱説明書を見た範囲では、推奨されるのは「牛乳」ですが、それ以外だと全然固まらないというわけではないようです。

いつも飲んでいる牛乳の種類が分からないというかたは、商品パッケージを見ると「種類別名称」という項目があるのでそこをチェックしてみてください。

ヨーグルトメーカーで使用できる牛乳の種類
牛乳の種類 推奨度
牛乳
特別牛乳
成分調整牛乳
低脂肪牛乳
無脂肪牛乳
加工乳
乳飲料 ×

では、なぜ普通の牛乳以外を使うとヨーグルトの固まりがゆるくなるかというと、考えられる理由は2つあります。

  1. 乳酸菌以外の菌の存在
  2. 乳酸菌のエサが少ない

①低温殺菌だと乳酸菌以外の菌が残っている

牛乳の中には、100度以下の温度で殺菌処理を施した「低温殺菌牛乳」というものもあります。

ヨーグルトメーカーも販売しているTIGERによれば、低温殺菌とは「63℃を30分、または72℃を15秒殺菌する方法です。これに対し高温殺菌とは120℃~140℃で2秒殺菌すること」だそうです。

大抵の菌は熱に弱いのですが、低温殺菌の場合にはすべての菌を完全に死滅できていない場合があります。
乳酸菌以外の雑菌がいると、乳酸菌の働きが弱くなり上手く固めることができないことがあるのです。

手作りヨーグルトには低温殺菌ではなく、通常の牛乳を使ってください。

②低脂肪牛乳・無脂肪牛乳は乳酸菌のエサが少ない

牛乳には乳糖という成分が含まれています。
日本人の中には、この乳糖を上手に分解することができない「乳糖不耐症」のかたが一定数いると言われています。

ヨーグルトの場合には、乳酸菌が乳糖をエサにして繁殖してくれるので、乳糖不耐症の人もヨーグルトではお腹をこわさないのです。
そして、しっかりとヨーグルトを固めるにはこの乳糖が重要になります。

乳酸菌が乳糖をエサに代謝活動をすると乳酸が生まれます。
この乳酸は、牛乳に含まれているタンパク質「カゼイン」を凝固させる働きがあるため、液体から個体状に変化していくのです。

低脂肪牛乳や無脂肪牛乳の場合には、無脂乳固形分は牛乳と一緒ですが、乳脂肪分の割合が低いのが下の表から分かります。

牛乳ごとの乳脂肪分と無脂乳固形分の割合
牛乳の種類 乳脂肪分 無脂乳固形分
牛乳 3.0%以上 8.0%以上
低脂肪牛乳 0.5以上1.5%以下 8.0%以上
無脂肪牛乳 0.5%未満 8.0%以上

「無脂乳固形分」に乳糖は含まれまるので、無脂乳固形分の割合が低いとヨーグルトメーカーとの相性はよくないでしょう。

また、乳脂肪分を通常よりも少なく調整している低脂肪牛乳、無脂肪牛乳は水分を加えることで割合を下げているため、固まりにくいのではと推測できます。

そのため、乳酸発酵が十分に進まなかったケースでは少しゆるい状態になってしまうのです。

ヨーグルトメーカーには「牛乳」がおすすめ!低脂肪や低温殺菌は固まらない可能性も

ヨーグルトメーカーには、自分でブレンドをアレンジする楽しみもありますが、使う牛乳は「牛乳」と種類別名称に書かれているものがおすすめです。

それ以外の無・低脂肪牛乳、加工乳、もしくは豆乳などでもヨーグルトを作ることはできますが、場合によっては固まらないなどの失敗の原因になります。

また、殺菌処理が十分ではない低温殺菌牛乳もおすすめできません。

失敗を減らして美味しい手作りヨーグルトを作るなら、「牛乳」を使いましょう!

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