ヨーグルトの酸味の原因は何？
ヨーグルトは、自家製、市販品ともに普段よりも酸味が強いと感じる場合があります。
スーパーやコンビニで購入したものならともかく、自家製の場合には「悪くなったかな？」と心配になる方も多いようです。
実は、ヨーグルトの酸味が強くなるのには幾つかの理由があり、そのポイントに注意をすれば酸っぱくなるのを防ぐことも可能です。
この記事では、ヨーグルトの酸味の原因、酸味を防ぐ方法、酸っぱくなってしまったヨーグルトの活用方法について説明していきます。
目次
ヨーグルトの酸味と乳酸菌の関係とは？
ヨーグルトは、牛乳などの動物の乳に乳酸菌を加え、発酵させることでできる発酵乳というものです。
そのため、ヨーグルトの成分は牛乳と似ているのですが、牛乳にはヨーグルトのような酸味はありません。
なぜ牛乳がヨーグルトになると酸味が出るのかというと、その酸味の原因は乳酸菌の働きにあります。
牛乳には、乳糖という成分が含まれており、乳酸菌はこの乳糖を餌に代謝活動を行います。
この代謝活動が乳酸発酵と呼ばれるもので、発酵によって乳糖からは乳酸や酢酸などの有機酸が作られるのです。
そして、この有機酸がヨーグルト独特の酸味などの風味を生み出す原因なのです。
有機酸の働きとは？
ヨーグルトメーカやヨーグルトの種菌などを使って自家製ヨーグルトを作ったことがある方は知っているかもしれませんが、ヨーグルトは乳酸菌以外の悪い菌が繁殖しにくい食品です。もちろん「しにくい」というだけなので、自宅で作る際には容器を消毒するなどの衛生面への注意は必ず必要です。
なぜ、悪い菌が繁殖しにくいのかというと、乳酸菌の作る有機酸に関係があります。
乳酸菌が作る有機酸によって環境が酸性になることで、食べ物を腐らせる腐敗菌などが増えるのを抑制するのです。
ヨーグルトはお腹を壊しにくい？
さらにヨーグルトは、牛乳に含まれる乳糖が分解されているので、牛乳でお腹を壊しやすい方も食べやすいと言われています。
牛乳でお腹の調子が悪くなる原因の1つは、乳糖不耐症と呼ばれるものです。
ただし、ヨーグルトでもお腹の調子が悪くなるという方は、量を減らして様子を見る、冷たい状態から常温に近づけて食べるなどの工夫をした方が良いでしょう。
関連記事：ヨーグルトはお腹の調子を整える？乳酸菌の働きについて
ヨーグルトの酸味が強くなるのを防ぐには？
ヨーグルトの酸味が強くなる原因には、次のようなことが考えられます。
- 乳酸発酵が時間とともに進んでいる
- 気温が乳酸発酵に適しているため通常よりも早く発酵している
- 乳酸菌が新しく活発に活動している
理由は幾つか考えられますが、基本的には乳酸発酵が進んだために多くの有機酸ができたということです。
市販で購入したヨーグルトであっても乳酸菌が生きている限り発酵は進んでいきます。
そのため、購入後も時間が経つと徐々に酸味が増していきます。
また、菌には活発に活動することできる最適な温度があります。
乳酸菌も種類によって適した温度が異なりますが、冷蔵庫では寒く活動が鈍り、常温以上では活動が活発になっていきます。
熱に対して強いわけではないので一定の温度を超えると逆に働きが弱まり、死んでしまうのですが夏の暑い日などは通常よりも活発に乳酸発酵を行います。
加えて、自宅で種菌を使って何度もヨーグルトを作っている場合には、徐々に菌の力が弱くなっていきます。
そのため、新しい種菌で作ると菌が元気なので弱った種菌よりも活発に発酵を進めてくれます。
つまり、ヨーグルトの酸味をコントロールするには、気温や種が元気かどうかによってヨーグルトメーカーで発酵させる時間を微調整する必要があるのです。
酸っぱくなったヨーグルトは食べられない？
ヨーグルトの酸味は乳酸発酵が進んでいる証なので、基本的には問題ありません。
ただし、酸味以外の異臭など、少しでも違和感を感じたら食べるのをやめた方が無難です。
もし酸っぱくなってしまってそのまま食べるのが難しい場合には、はちみつやフルーツで甘味を加えて上げる他、トマトジュースと合わせてホットトマトヨーグルトにしたり、ドレッシングやタンドリーチキンなどの料理に使ったりするのがおすすめです。
ヨーグルトの酸味の原因と対策のまとめ
ヨーグルトに酸味が出る理由は、乳酸菌が乳糖を分解して有機酸を作るからです。
乳酸菌が生きており乳糖などの餌がある限り乳酸発酵が進み酸味が増していくので、市販品の場合には早めに食べきること、自家製の場合には発酵時間を短くすることで酸味が強くなるのを防ぐことができます。
ただし、有機酸そのものは悪い菌の繁殖を抑えてくれるので、品質の問題がない酸味であればヨーグルトを様々な料理にアレンジするなどして美味しく食べるのが良いでしょう。