ケフィアとヨーグルトの違いは?
ケフィアとヨーグルトの見た目は非常に似ていますが、実はその作り方や含まれる菌は異なります。
様々な違いがありますが、大きな点は次の3つです。
- 含まれている菌と酵母
- 発酵しやすい温度
- 作り出す成分
この記事では、ケフィアと通常のヨーグルトの違いや、ケフィアの作り方について説明していきます。
目次
ケフィアに含まれるのは乳酸菌だけじゃない?
ヨーグルトは、牛乳などを乳酸菌が発酵させることでできる発酵乳という食品の種類に分類されます。
発酵乳について日本では、1mlあたりに1,000万以上の乳酸菌、または酵母を含むものとして定義されています。
今の所、ヨーグルトについての定義はなく、乳酸菌のうち、どの菌を使用するなどの決まりもありません。
しかし、多くの場合にはブルガリア菌やサーモフィルス菌などの複数種類の乳酸菌を使って乳酸発酵が行われます。
一方で、ケフィアにはこれらのような乳酸菌の他にも、酵母が加わって発酵を進めます。
菌の塊である酵母と乳酸菌による複合発酵が、ケフィアに特徴的な点であると言えます。
乳酸菌もそうですが、どの菌が自分の腸内フローラに合うかは人によっても異なります。
そのため、1つではなく、複数の種類の菌を摂り、相性の良い菌を探すことが重要です。
ケフィアであれば、複数種類の菌を摂ることができるので、おすすめと言えます。
自宅で作る場合には、ケフィアの発酵温度にも注意
ヨーグルトやケフィアの種菌を使って自宅で作る場合には、含まれている菌や酵母が発酵する温度の違いにも注意が必要です。
乳酸菌であっても種類によって発酵する温度が異なりますが、初めてケフィアを作る場合には通常のヨーグルトとは発酵温度の違いを知らないとうまく固まらずに失敗するケースが多くあります。
一般的なヨーグルトは、牛乳に種菌を加えて40度前後で8時間程度おくことで発酵が進み、液体の状態から個体へと固まっていきます。
一方で、ケフィアは種菌である乳酸菌と酵母を加え、25度前後で24時間おくことで発酵していきます。
40度で保つにはヨーグルトメーカーなどで温度を保つことが必要になりますが、ケフィアの場合には気温によっては常温でも作ることができます。
菌は温度が低いと発酵が進まずに牛乳が固まりませんが、逆に温度が高すぎると菌が弱り、最悪の場合には死滅してしまうケースもあります。
種菌ごとに適切な温度が異なるため、市販の種菌の場合には記載されている温度を維持して、発酵を進めるようにしましょう。
ケフィアと乳酸菌は作り出す成分が違う?
乳酸菌は、牛乳に含まれる乳糖を分解することで乳酸という酸を作り出します。
この酸によって、ヨーグルト特有の酸味が生まれるとともに、食品を腐敗されるような悪い菌の活動を抑制してくれます。
一方でケフィアに含まれる酵母と乳酸菌は、乳酸に加えて、アルコールや炭酸ガスも作り出します。
ヨーグルトに比べて酸味が控えめであり、発酵によってできるアルコールは1%未満なのでお酒が得意ではない方はもちろん、子どもでも安心して食べることができます。
また、ケフィアには酵母による豊富な栄養も含まれています。
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ケフィアが市販されていないのは炭酸ガスのせい?
ブルガリアヨーグルト、ギリシャヨーグルト、カスピ海ヨーグルトなど、様々な種類のヨーグルトをコンビニやスーパーで購入することができます。
しかし、ケフィアはそれらのヨーグルトのように市販されてはいません。
その理由は、ケフィアができる発酵の過程でできる炭酸ガスのせいです。
ヨーグルトのように密閉した容器に入れた状態で炭酸ガスが発生すると、ガスによって容器が膨らみ、さらにガスが多くなると入れ物が破裂してしまう可能性もあります。
そのため、できあがった状態でケフィアは販売されておらず、種菌を使って自宅で作るのが一般的です。
ケフィアの作り方は簡単?効率的に摂取するには?
ケフィアもヨーグルトも、基本的な作り方に違いはありません。
牛乳などに、乳酸菌や酵母などの菌を加えることで、菌が発酵を進めて液体だった牛乳が個体になれば完成です。
ケフィアの場合には、通常のヨーグルトよりも長い時間発酵に要するので、その間に容器に強い刺激を与えないように注意する必要があります。
刺激が加わると上手に固まらないケースがあります。
また、常温でも発酵できますが、冬場などの気温が低い場合には発酵が上手くいかないことが多くなります。
その場合には、ヨーグルトメーカーなどで温度を保つことで、上手にケフィアを作ることができます。
ヨーグルトメーカーを持っていない場合には、牛乳を入れる容器を温めるなどの工夫をすることで冬でも失敗の可能性を低くすることが可能です。
また、自宅で作るのが面倒という方は、サプリなどからケフィアの成分を摂るのも良いでしょう。
まとめ:ケフィアとヨーグルト|お腹に優しいのは?
ケフィアとヨーグルトは見た目は似ていますが、含まれる菌や、発酵が進む過程には違いがあります。
腸内フローラは一人一人異なるため、お腹の調子を良くするには自分と相性の良い菌を見つけることが重要です。
また、腸内フローラの改善には、食品から乳酸菌などの善玉菌をとること、善玉菌が腸の中で増えるための餌となる栄養をとることが必要になります。
しかし、食生活が偏ると、腸内に住む菌も特定の栄養や環境を好む菌が増え、偏ってきます。
良い腸内フローラとは、善玉菌のバランスと、菌の種類が多く多様性があるような状態です。
ケフィアとヨーグルト、どちらが合っているかは人によって異なりますが、普段の食生活に注意を払い、様々な栄養をとることを心がけることが大切と言えます。