ヨーグルトは下痢の時に食べても大丈夫?
ヨーグルトにはビフィズス菌や乳酸菌などが含まれており、腸内環境を整える効果があります。
しかし、ヨーグルトを食べて下痢や腹痛を起こすことがある方もいるかもしれません。
実は、ヨーグルトの食べ方や種類によっては、お腹を壊したり下痢を起こしたりする危険性もあります。
下痢を起こさないヨーグルトの食べ方や選び方、乳酸菌のお腹の調子を整える効果について説明していきます。
目次
ヨーグルトに含まれる乳酸菌が下痢の症状を改善する理由
肌年齢のように、腸にも腸年齢という考え方があります。
腸が歳をとると、便通が悪くなったり、逆に下痢になったりといったデメリットがあります。
一般的には、女性は便秘に悩む人が多く、男性は下痢に悩む人が多いそうです。
下痢の要因は、腸の蠕動運動と水分コントロールです。
腸の動きが早く、便通も早まると下痢になります。
本来の便通のスピードであれば不要な水分は吸収されてから、体外に便として排出されます。
しかし、腸が活発に動き便通が早いと十分に水分が吸収されていない状態になります。
ヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれており、腸内環境を正常することが期待できます。
腸内環境を整えることで、正常な便通のリズム、腸の動きにすることで下痢の症状を改善できるとされています。
下痢には慢性と急性の2種類がある!
ただし、ヨーグルトの下痢への効果は即効性があるわけではありません。
腸内環境を整えるヨーグルトは日頃から食べることが重要になります。
下痢をしやすいという慢性のタイプの場合にはヨーグルトはおすすめです。
しかし、急に腹痛に襲われるような急性の下痢の場合には、ヨーグルトを食べることを控えたほうが良いケースもあります。
何を食べても下痢になってしまうようなケースでは、少しの間食事を控えて腸の動きを休ませることが重要です。
ただし、スポーツドリンクなどで水分を補給する必要はあります。
下痢や便秘の原因は腸年齢にある?
便秘や下痢の症状を起こしやすい人は、実年齢よりも腸年齢が老いている可能性があります。
腸の老化を進める要因は複数ありますが、大きな原因は便秘とストレスです。
腸内には善玉菌だけでなく、増えすぎると体の害となる悪玉菌も存在しています。
便通がスムーズだと、一定の期間がべんと一緒に体外に排出されるのですが、便秘の場合には体内に溜め込まれてしまい悪玉菌からは有害な成分が発せられます。
悪玉菌の働きを抑えるには、善玉菌を増やすこと、便通を良くすることが重要と言えます。
また、ストレスを日頃から感じている方は腸が老いる危険性が高いそうです。
ストレスを溜め込まないことのほか、適度な運動でお腹周りの筋肉を鍛えること、適切な食生活を心がけることが腸を若く保つポイントになります。
ヨーグルトを食べると下痢になる理由
ヨーグルトを食べてお腹をこわした、下痢になった経験がある方もいるかもしれません。
ヨーグルトには腸内フローラを改善する善玉菌が含まれていますが、冷たい状態のヨーグルトの食べ過ぎは下痢につながりやすいと言われています。
これはヨーグルトに限られることではありませんが、冷たい食べ物を急激に胃に入れることで腸が刺激され蠕動運動が活発になります。
また体温が低下し、胃や腸の動きが鈍ると食べたものが消化されにくくなります。
ヨーグルトは冷蔵庫に入れておかなければいけないので、冷たい状態で食べるのが普通ですが、お腹の調子があまり良くない時は常温になるまで少し時間をおいたり、電子レンジでホットヨーグルトにするのが良いでしょう。
また、キシリトールやセルロースなどの人工甘味料で甘味をつけているヨーグルトは食べ過ぎに注意をしましょう。
人工甘味料は消化されづらいので、吸収されずに腸までいきます。
吸収されにくいので砂糖などと比べてカロリーをく抑えることができるのですが、大量に摂取するとお腹がゆるくなる危険性もあります。
お腹さに優しいヨーグルトでも、人工甘味料や温度などの意外な原因で下痢が起きていたかもしれません。
上手にヨーグルトを食べて、日頃から腸内環境をケアしましょう。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品は下痢を引き起こす?
ヨーグルトは牛乳を乳酸菌が乳酸発酵させることで作られます。
牛乳にはカルシウムだけでなくビタミンやミネラルが良いバランスで含まれています。
しかし、牛乳に含まれる乳糖は、体質によっては下痢を引き起こします。
乳糖はラクターゼと言う酵素によって分解されることでブドウ糖とガラクトースの2種類の糖になります。
乳糖のままでは吸収できないのですが、分解されることで吸収でき、栄養となります。
このラクターゼと言う酵素は、母乳を飲む乳児が多く持っており、成長とともに数が減ってきます。
そのため、人によっては十分に乳糖を分解することができない乳糖不耐症と言う症状が出ます。
乳糖不耐症は国や地域によってその割合が異なり、日本などの昔から牛乳を飲んでこなかった地域では欧米と比較して乳糖不耐症の人が多いと言われています。
しかし、ヨーグルトは乳酸菌の働きによって乳糖は乳酸に変化しています。
そのため、乳糖不耐症で牛乳では下痢を起こしやすい人でもヨーグルトなら大丈夫なのです。
オリゴ糖とヨーグルトの組み合わせは良い?
腸内環境を健康な状態で保ち、下痢や便秘の悩みを解消するには善玉菌を増やしていくことが大切です。
腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌がそれぞれバランスをとりつつ共存しています。
善玉菌が減るなどしてこのバランスが悪い方向へ崩れると、悪玉菌が悪さをしたり、日和見菌が悪玉菌のような働きをするようになったりします。
善玉菌を増やすには、善玉菌のエサになる成分を摂る、善玉菌自体を摂取することが必要です。
善玉菌のエサになる成分としては、オリゴ糖や食物繊維が有名です。
また、ヨーグルトだけでなく乳酸菌サプリメントでも善玉菌を摂取することができます。
下痢をしている乳幼児・子どもには特にヨーグルトはダメ?
母乳を飲んでいる赤ちゃんは乳糖を分解できるラクターゼが十分に分泌されています。
また、ヨーグルトに含まれる乳糖は乳酸菌の働きによって乳酸に変わっているため、乳糖不耐症での下痢は起きにくいと考えられます。
しかし、下痢をしている乳幼児にヨーグルトなどの乳製品を与えても良いのかについては判然としないようです。
下痢が続く場合は専門家の指示を仰いだり、乳糖を含まないミルクを検討するなどの必要があります。