乳酸菌とビフィズス菌の違いは何?どっちが健康に効果があるの?

乳酸菌とビフィズス菌の違いとは?

健康のためにも積極的に摂取したい乳酸菌やビフィズス菌ですが、この2種類の菌の違いを知っていますか?
乳酸菌はヨーグルトに含まれていますが、ビフィズス菌は必ずしもヨーグルトには含まれていると言うわけではありません。

名前は聞くけど、イマイチ違いがわかりにくい乳酸菌とビフィズス菌の2種類の菌の違いについて説明していきます。

ビフィズス菌も乳酸菌の1種?乳酸菌の定義とは?

まず、乳酸菌とはどのようなものかについて説明していきます。
乳酸菌とは、「糖を分解することで大量の乳酸を作り出す細菌」の総称です。
さらに言うと、酸は作り出しても有害な腐敗産物は作り出さないと言う点も重要になります。

このような代謝活動を発酵と言いますが、細菌や酵母などが同じような代謝活動の結果として、人体に有害な物質が生まれる場合には発酵と区別して腐敗と言います。
つまり、ヨーグルトは乳酸菌の発酵の産物ということができます。

一方のビフィズス菌は、広義の意味では乳酸菌に含まれます。
しかし、ビフィズス菌は分解の過程で乳酸だけでなく、酢酸も作り出します。
そのため、狭義の意味の乳酸菌には含まれません。

乳酸菌は、33属に分類でき、その中には善玉菌だけでなく、悪玉菌、日和見菌も存在します。
また、ビフィズス菌はと言うと、現在は30菌種に分類でき、善玉菌の代表的な存在と言えます。

乳酸菌とビフィズス菌の学問上の分類の違いは?

腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌などに分類することもできます。
しかし、その他にも細菌を研究する分野では、生息できる環境や、菌の形状などでも分類します。

生息できる場所というのは、空気があるか、ないかです。
空気がある場所でも生きることができる細菌を好気性菌、空気があると死んでしまう細菌を嫌気性菌と言います。
また、嫌気性細菌も少しの空気なら生息可能な通性嫌気性菌、少しでも空気があると生息できない偏性嫌気性菌とに分類できます。
ビフィズス菌は偏性嫌気性菌に分類され、人の腸内細菌の多くは空気があると住むことのできない菌がほとんどです。

また、菌の形状では丸い形の球菌、棒状の桿菌とに分類できます。
さらに球菌もブドウ球菌やレンサ球菌など、桿菌も長桿菌、短桿菌などに分類ができます。

乳酸菌は、菌の種類を表す総称なので、乳酸菌の種類によってその特徴、性質が異なります。
ビフィズス菌は、空気のある環境では生育ができない嫌気性の桿菌に分類されます。
ヒトの体の中には様々な細菌が生息していますが、生育可能な環境によって住む場所や数が大きく異なります。
胃では酸の影響で限られた種類の細菌のみが住むことができ、大腸には最も多くの腸内細菌が生息しています。

乳酸菌とビフィズス菌の働きの違いは?

ビフィズス菌も乳酸菌も、腸内フローラの改善に関係しています。
ビフィズス菌は善玉菌の代表格と言え、ビフィズス菌は発酵により乳酸や酢酸などの有機酸を作り出し腸内のphを弱酸性に近づけます。
悪玉菌の働きは弱酸性だと抑えられるため、悪玉菌からの腐敗物質の放出や、悪玉菌そのものの増加を防ぐことができます。
また、乳酸などは腸の動きを促すので便秘の改善の効果も期待できます。
便秘が原因で、便と一緒に悪玉菌が生成する腐敗物が体外に排出されないと、健康や美容などで様々な悪影響が出てきます。

広義の意味ではビフィズス菌も乳酸菌の1種なので、腸内環境の改善に対して同じような効果が期待できます。

乳酸菌とビフィズス菌は人の体にどのくらい存在するの?

ビフィズス菌と乳酸菌では、人体に存在する数が大きく異なります。
自然界全体で言うと、乳酸菌は酸素のある場所でも、4度〜45度くらいの温度でも生育ができるため動物や植物が生息可能な場所には乳酸菌も多く存在しています。
一方、ビフィズス菌は酸素があると生育できないので人の腸内など限られた環境でのみ生きることができます。

腸内で割合は、そのほとんどをビフィズス菌が占めており、ビフィズス菌99.9%1に対して、乳酸菌は0.1%です。
そのビフィズス菌の数は、1兆〜10兆個と言われています。

全てのヨーグルトにビフィズス菌が入っているわけではない?

ヨーグルトは、牛乳をブルガリア菌やサーモフィルス菌が乳酸発酵することでできますが、全てのヨーグルトにビフィズス菌が入っていると言うわけではありません。
ビフィズス菌は空気を嫌うため、生きた状態で食品などに加えるのが難しいのです。
腸内フローラで重要な役割を担うビフィズス菌を積極的に摂るなら、ビフィズス菌入りのヨーグルトを選ぶことが重要です。

乳酸菌を多く含む食品は何?

ビフィズス菌入りの食品は限られますが、乳酸菌は人間の腸内以外にも数多く存在しているので、ヨーグルト以外の食品を通じて普段の食事から摂取することもできます。
例えば、牛乳やチーズなどの乳製品には動物性乳酸菌が含まれます。また、漬物などには植物性乳酸菌が含まれ、特にキムチには多くの植物性乳酸菌が含まれています。

また、乳酸菌サプリメントによっても足りない分手軽にを補うことができます。

ビフィズス菌を増やす方法はある?

ビフィズス菌などの善玉菌を増やすには、食べ物から菌を摂取すること、もしくは菌が増えるためのエサを与えることが必要です。
菌が増えるためのエサには、オリゴ糖や食物繊維、ビタミンCなどが重要です。
オリゴ糖には整腸作用もあるので、ヨーグルトとの組み合わせが非常に良い食品といえます。
オリゴ糖や食物繊維が善玉菌のエサになる理由は、消化されにくいということです。
腸に届く前に消化吸収されないため、善玉菌はそれらをエサに分解活動をすることができるのです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Pick Up記事
腸内環境を良くしたいと考えているなら、ケフィアがおすすめです。

ヨーグルトは、1種類か2種類の乳酸菌が牛乳を発酵させるのですが、ケ…